しその葉が旬となる夏が過ぎ、秋口に近づくとしその実がつく。軸から実だけを採り、調理するのが基本だ。刺激的な辛味はなく、清涼感のある繊細でおだやかな香りがくせになるしその美。収穫から選別作業まで手がかかるので、出荷数はさほど多くないため、直売所などで見つけたらぜひ手に入れたい。

しその種である種子には油が多く含まれていて、心臓疾患の予防のためにも摂りたいα-リノ戀酸がたっぷり。また骨の形成を促し血管の健康にも役立つビタミンKや血液生成に働く銅も多く含む。

しその実といえば醤油漬け。一度塩水でゆがき塩漬けしてあく抜きをしたら、醤油・塩昆布・少々の酢を入れて2〜3日漬けるだけ。または、甘辛い味噌漬けもおいしい。しその実をよく洗って水気を拭き取り、広げて乾かしておく。平らな保存容器に1センチ程度の厚さになるように味噌を広げ、その上にガーゼを敷いてからしその実を広げる。さらにガーゼを広げ、ガーゼの上に味噌をまんべんなく広げ、ふたをして1週間以上漬ければ完成。いずれも秋の新米がよく進むごはんの友。おかかやごまと一緒におむすびにしても美味。