もともと田んぼのあぜ道で育てられていたことから、“あぜ豆”の別称ももつ「枝豆」。育ちやすい環境で手間のかからない稲作の副産物として栽培され、米にかかる年貢があぜ豆にはかからなかったという。今、早生種の最盛期を迎えている枝豆。鮮度命であることから、枝付きのものを店頭で手に入れたら、その日じゅうに茹でておきたい。

まずは枝豆もっともシンプルでおいしい食べ方を。茹でたばかりのほのかに温かい状態が風味と香りが際立つので、常温くらいでいただくのがベスト。塩がしみやすいようにはさみで深めに切ったら、ひとつまみの塩を入れたひたひたの湯に枝豆を入れて、ふたをして蒸し煮に。しっかり煮えたらザルに重ならないように広げて、時間をあけずに塩を振り、うちわであおいで粗熱をとる。後は心行くまで枝豆の味を堪能しよう。

たっぷりと茹でて余った分の枝豆をどういただくか、考えるのも楽しみの一つ。おすすめは枝豆としらすをおろし生姜と醤油で和えた一品。ボリュームを出すなら、さっとゆがいた厚揚げも加えても。