しゃきしゃき齧れば、爽やかな香りが広がる「三つ葉」。日本の野山に自生していた香草を、栽培方法によって3種類に改良された葉野菜だ。中でも根付きで野生種に最も近い根三つ葉は、今が旬。

栽培方法によって葉や茎の見た目、香りの強さに変化が生まれる。根元だけが白い根三つ葉は風味の強さが特長。また三つ葉の香りには不眠の改善や食欲の促進にも効果的。季節の変わり目の不安定な体調を整える意味でも、積極的に摂りたい。

繊細な香りで日持ちはしないので、1〜2日で使い切るのがポイント。また調理で切った根を水につけておけば、新たに葉が出て一度は収穫もできる。

春はきざみ三つ葉を散らした親子丼がおすすめ。めんつゆを煮立たせた平鍋で、小さめに切った鶏肉と新玉ねぎの薄切りを煮る。鶏肉の色が変わったら溶き卵を2回に分けて回し入れる。その際に旬のアスパラガスや絹さや、スナップエンドウなどを加えれば、春らしい味わいに。最後にできれば露地ものの三つ葉を刻んだものを入れてフタをして蒸らし、炊きたての白飯をよそった丼にのせていただく。三つ葉はどっさりと散らすのが、今の時期しかできない贅沢だ。