本日は小正月。地域によっては鏡開きの日(11日)よりも15日の小正月に汁粉(ぜんざい)や小豆粥を食すところもある。朱色に邪気を払う力があると言われる小豆を食べて、無病息災を願うためである。小豆のなかでも「大納言小豆」は、そんな特別な日に食してほしい食材だ。小豆よりもふっくらとして旨味があり、大きさも申し分なく、食物繊維が豊富に含まれている。高級ではあるけれど、そのおいしさは歴然。冬の静謐な時間が流れる中、大納言小豆をふっくらと上手に炊くことに集中してみるのも心の贅沢である。

まずは大納言小豆250g、氷砂糖250gを用意する。純度が高くじっくりと素材に浸透していく氷砂糖を使うことで、より上品な仕上がりになる。大納言をさっと洗ってから鍋に入れ、たっぷりの水を入れて火にかけ、煮立ってきたらざるにあげて湯を捨てる。再び小豆を鍋に戻し、たっぷりの水を入れて火にかけ、同様にゆでこぼし、渋切りをしっかりとする(アク抜き)。再び鍋に大納言を戻し入れ、新しい水をたっぷりとかぶるくらい入れて火にかけ、煮立ったらとろ火で3時間半~4時間、柔らかくなるまでじっくりじっくりと煮る。指の腹で容易に潰せるほど皮までやわらかく煮えたらボールにざるをのせ、さらしをのせた上に注いで小豆とゆで汁(1カップ強ほどとっておく)に分ける。空っぽになった鍋に氷砂糖を入れ、その上にゆで小豆とゆで汁を入れて静かに20分ほど煮含める。

焼き餅を加えて煮る汁粉(ぜんざい)の他に、表面を香ばしく焼いたよもぎ生麩を加えても趣深い。