鍋シーズンに常備したい調味料といえば、柚子胡椒である。それも願わくば、青柚子胡椒と黄柚子胡椒の両方を用意しておきたい。青柚子胡椒は、晩夏に収穫できるまだ若くて青い柚子の皮と、青唐辛子を細かく刻んで塩と合わせたもの。一方黄柚子胡椒は、秋から冬にかけて出回る黄色い完熟柚子の皮と、赤唐辛子を攪拌して塩と合わせたものである。

おろし器で柚子の皮をすりおろし、あとは唐辛子と塩とともにフードプロセッサーにかけるだけ(すり鉢ですおろしてもよい)で、香り高い自家製柚子胡椒が完成する。原材料は同じなのだが、仕込む季節によってまったく別の味わいになるのが面白い。どちらも冷凍庫で保存し、使う分だけスプーンで豆皿に取り出すと、風味良いまま使い切ることができる。

ふぐや真鯛などの白身の魚や牡蠣の鍋は黄柚子胡椒、豚や鶏の鍋は青柚子胡椒との相性がいい。うどんやラーメンなどの麺類は、そのときの気分でお好みのほうを選んでみては?