東南アジアのグルメに欠かせないハーブといえば、「レモングラス」。タイ料理のトムヤムクンでもおなじみのハーブだ。名前と、精油成分シトラールによる清々しい香りから、つい黄色い果実を連想してしまうが、レモンとはまったくの別物。その香りは消化不良に働きかけるうえ、胃痛をやわらげる効能もあるという。
熱帯地方に分布する植物なので、収穫できるのは暖かい時期である。店頭では葉だけをカットして売っているものが多いが、まるごと手に入ったら、香りが強い根に近い部分も余さず使おう。
家庭でガパオなどのエスニックご飯を作るときにぴったりなのが、レモングラスご飯。葉を適当な長さに切り米と一緒に炊くと、蓋を開ければふわりと爽やかな香りがたちのぼる。またはレモングラスチリオイルを仕込めば、白身魚や肉などを焼く時にも重宝する。茎もとを細かくみじん切りにしたら、ニンニクのみじん切りと唐辛子粉とともにボウルに入れて、熱した米油(米糠抽出の植物油)を注ぎ入れて、塩で味をととのえれば完成。