寒海に生息する「蝦夷アワビ」は、水温が20度以上になる今の時期からが産卵期となる。片方の殻がない二枚貝のような見た目から“磯のアワビの片思い”と言われることもあるとか。

大きくなるのに時間がかかり、さらに年々漁獲量が減っているため、高級食材としてより希少になっているアワビ。近年は国産を上回るほど海外からの輸入量も増えており、店頭で目に入るものはアメリカ産やオーストラリア産のものが多くなっている。

低カロリー高タンパクのアワビは、グルタミン酸などのうまみ成分を含む必須アミノ酸がたっぷり。また糖質・脂質の代謝を促し、善玉コレステロールを増やすパントテン酸も他の魚介類に比べても群を抜いて多い。

新鮮なアワビは、軽く蒸してから薄切りにして、醤油とわさびでシンプルにいただきたい。または角切りにしたアワビをバター醤油で鉄板焼きにしても美味。