秋から冬にかけて収穫されるキク科のトレビスはチコリの仲間。菊苦菜の和名のとおり、ほろ苦さのある味わいがおいしい。紫キャベツと一見似ているようだが、まったくの別物。軸の部分の色みがトレビスは白色である一方、紫キャベツは紫色。葉の手触りもトレビスは薄く柔らかいが、紫キャベツは厚みがあって固い。

苦み成分のチコリ酸は抗菌力のほか、活性酸素を抑える働きや消化促進作用、食欲を促す働きなどがあるといわれる。またむくみや高血圧の予防や改善にもいいといわれるミネラルも豊富。

ヨーロッパでは“アンディーブ”と呼ばれ、イタリアンやフレンチに他用されるトレビス。日光をあてずに栽培するため、口あたりがよく生食にもぴったりだ。シンプルなグリーンサラダに入れると味わいにグラデーションが生まれる。また串切りにして断面を香ばしく焼くと、ほろ苦さが際立つ上に色みもきれいなので、肉料理の付け合せにもちょうどいい。