冬の白い食材のひとつ、百合根。主な産地である北海道では、霜が降りる10月ごろから年末にかけて収穫される。収穫して2〜3ヶ月寝かせることで甘みが増すうえに、正月料理に使われることが多いため、出荷のピークを迎えるのは12月。種球から栽培すると、じつに6年もの年月を要するというのだからちょっぴり高価なのもうなづける。

普段使いにはハードルが高いイメージではあるが、下処理は意外とシンプル。衝撃や日光で黒ずんでしまうのでおがくずの中に入って売られており、まずは洗わずそのまま、1枚ずつガクを剥がしたら、目の粗いざるに入れて洗い、おがくずや付着している土を洗い流す。その後変色している部分をペティナイフで切り落とし、食べやすい大きさに切り分ける。生では食べられないので蒸し器などで3分蒸してほっくりした食感になるまで加熱し、料理にトッピング。見た目と食感のアクセントになる。

百合根のほっくりした味わいを存分に楽しめる料理としておすすめしたいのが、百合根入りのたらこバターパスタだ。色合いもおめでたく、正月料理に作ると喜ばれる。塩を加えた湯でロングパスタを茹で、同じ湯で下処理した百合根をほくっとするまで時間差で茹でる。ボールには生たらこのほぐし身とたっぷりのバター、醤油少々を入れておき、茹であがったパスタと百合根を加えて和え、好みできざみ海苔を散らす。