南欧から中央アジアの草原を原産地とするエリンギは、古くは日本には自生しなかったキノコだ。年間を通して店頭に並んでいるが、9月から12月にかけて特に多く出回る。

エリンギに含まれる食物繊維は腸内環境を整える上で欠かせない栄養素。腸内を掃除してコレステロール値を下げることで、生活習慣病の予防にもてきめんだ。店頭で選ぶときには、カサの色が薄い茶色で開きすぎていないものを選びたい。また軸が太くて白く、適度に硬さのあるものの方が食感もよい。

イタリアンなどにも多用されるのは、オリーブオイルとの相性のよさが理由。エリンギの風味を堪能するにはグリルが一番。4等分に割いて網で焼き、食べやすく切ったらオリーブオイルと塩でいただく。帆立と合わせた炒め物もおすすめ。太いエリンギを1.5〜2㎝に切って、さいの目に切り目を入れて粉をはたいたら、その半量のほたてと一緒にバターで焼いて焦がし醤油で味つけ。似た者同士ながら、風味や食感の違いが味わい深い。縦に割いたり輪切りにしたりと、エリンギの切り方を変えれば食感の違いが楽しめる。