桜の花と葉の塩漬けが目立って店頭に並ぶのは、2月後半〜3月にかけて。手作りしようと思ったら4月の中旬頃まで待たないといけないが、料理に使いたい時期は徐々に春めいてくる今のタイミングである。折しも明日はひなまつり。スパークリングワインや子供ならサイダーに花を一つ浮かべるだけで、桜の香り感じる季節のドリンクに早変わりする。

桜の花の塩漬けを料理に使うなら、相性が良いバターとの組み合わせがおすすめ。卵とバターを加えた蒸しパン生地に桜の花の塩漬け(水に5分ほど漬けて塩抜きしたもの)を適量刻んで混ぜ込み、カップに流し、上に桜の花の塩漬けをのせて蒸した風味豊かな「桜の花のバター蒸しパン」。野菜スープとバターと刻んだ桜の花をお米と一緒に炊き込んだ「桜の花のバターピラフ」。どちらも思わず顔がほころぶ優しい味である。

4月になったら、来年以降のために桜の花の塩漬けを仕込んでおきたい。6分咲きの八重桜の花を収穫して洗って水気をよく拭き取り、花の重量の20%程度の重さの粗塩と交互に保存容器に重ね、白梅酢100ml程度を回しかける。軽く重しをして3〜4日漬け、その後ざるに広げて半生に乾かし、塩適量をまぶしながら保存便に詰めて冷蔵保存すると、翌年、翌々年の桜の時期に楽しめる。