石川県・金沢は“加賀百万石の城下町”として古くから食文化も豊かだった。その名残を継いだ伝統野菜の一つが「加賀太胡瓜」である。昭和11年頃、東北の農家から短く太い胡瓜の種子を譲り受けた、金沢県久安町の農家が栽培を始めたことから広まったのが加賀太胡瓜。直径6〜8㎝、重量は1kgほどとどっしり大きく、存在感のある野菜だ。

固い果皮をむけば、やわらかな緑色の果肉が現れる。調理の際は皮を必ず向いて使おう。種も食べられるが、包丁でのぞいておくと見た目も美しく、しゃりっと繊細な食感を楽しめる。

加熱調理向きなので、乱切りにした加賀太胡瓜と豚の挽き肉、生姜、にんにく・ねぎを醤油でシンプルに味つけするだけで十分に美味。または食べやすい大きさに切った胡瓜とエビ、缶詰のほたてをスープで一煮立ちさせたら、ごま油と片栗粉でとろみをつけて中華風スープに。ざくざく入った魚介と歯ざわりのいい胡瓜に、ごま油の香りが絶妙にマッチする。