沖縄では1596〜1615年頃から食べられている伝統野菜の「ゴーヤ」だが、本州でゴーヤを使った料理が食卓に並ぶようになってからは、まだ30年ほどしか経っていない。食事を“薬膳”と捉えていた中国では古くから重宝されており、当時から親好の深かった沖縄にも浸透。そして1986年、食べやすい味に品種改良されたものが、沖縄から本州に伝わったのである。

ほろ苦い味わいが特徴だが、この苦み成分がカラダに良い。夏バテ対策や疲労回復にはもちろん、血糖値やコレステロールを下げる働きもある。また美肌に欠かせないビタミンCは、加熱しても壊れにくいのが嬉しいところ。

ご飯が進むゴーヤチャンプルは栄養満点の一品。半月型にしてワタを除き薄くスライスしたゴーヤと豚バラ肉、厚揚げまたは島豆腐を炒めて、鰹節と醤油で味つけを。玉子は好みで入れよう。おいしく仕上げるポイントは手順にある。先にゴーヤだけをごま油で炒めたら一度取り出し、同じフライパンで油を使わずに豚肉を焼き付けるように炒め、香ばしく焼き色がついたら厚揚げをプラス。そしてこんがりと火が通った段階で、先に炒めたゴーヤを戻し入れる。こうすることで香ばしく、それぞれの味わいが生きたゴーヤチャンプルに仕上がる。