東洋医学の食養生において「夏は赤い食材を食べるべし」と説かれる。中国では汗は血からつくられるものであり、エネルギッシュな“赤い食材”をいただくことでパワーを授かれる…と考えられているため。夏の赤い食材といえば、やっぱり「トマト」だ。中南米のアンデス高原を原産地とするトマトは、現地では春に旬を迎えるが、日本では夏に完熟した露地ものが多く出回る。
栄養価が高いことは知ってのとおり。高い抗酸化力を誇る赤い色素のリコピンや美肌に欠かせないビタミンC、免疫力低下を防ぐカロテンなどをバランスよく含む。またリコピンはビタミンEや油分と一緒に摂取すると効率よく吸収できるので、オリーブオイルなどとともに味わいたい。
トマトをまるごと味わえる冷やしおでんは、食欲をそそる一品。作り方は簡単で、皮をむいたものに切り目を入れず、カツオだしで煮含めて、粗熱がとれたら冷やすだけ。また、自家製サルサソースを仕込むのもいいだろう。フレッシュなトマトと玉ねぎ、ピーマンを刻んで、オリーブオイルと酢で合わせればできあがり。このサルサソースは脂ののった魚のグリルと相性抜群だ。サバやメカジキを焼いた日は、とろりとかけて召し上がれ。