古くから香辛料や薬用に使われる山椒。その若芽である「木の芽」が芽吹いたあと、初夏に雌木になる若い実が“実山椒”、熟したものが“粉山椒”となり、日本の食卓に登場する。

日本原生のハーブの代表格でもある「木の芽」。香りの主成分であるシトロネラールには、虫除けや抗ウイルスの作用もある。家庭栽培にも向いているので、店頭では鉢で買って、庭に生えかえても。木の芽の葉はもちろん、黄色い花も楽しめる。

同時期に収穫を迎えるタケノコとの相性は言うことなし。「木の芽和え」にしてであいものをじっくり味わいたい。最初にグリーンソース(木の芽味噌)を作る。生の木の芽と山椒の葉をすり鉢ですり、酢みそを混ぜ合わせる。次にタケノコをサイコロ状に切り、出汁で薄めに炊いたら、グリーンソースに絡めるだけ。または香りを生かしてトマトパスタにしても。普段のトマトソースに入れるバジルを木の芽で代用するだけで、ほんのり和の風味に。