根菜類の中でも、ビーツはほうれんそうと同じヒユ(アカザ)科の野菜。ベビーリーフの中に入っている縁が赤い葉ものも、じつはビーツの葉だったりする。赤い色素はベタシアニンというポリフェノールの一種で、とりわけ強い抗酸化作用を持つことから、老化防止や抗ガン作用があると注目されている。砂糖(甜菜糖)の原料にもなるほど甘みも十分にある。

6〜7月、11〜12月とビーツの旬の時期は一年に2度訪れるが、今の寒い時期においしく味わうならば、ロシアの家庭料理、ボルシチがよい。サワークリームをトッピングして酸味を加えると、甘みを含むビーツとのバランスがとれてさらにおいしく感じられる。

葉を除いた部分をまるごと140度のオーブンに入れ、串がすっと刺さるまで40分程焼いた“焼きビーツ”を食べやすい大きさのさいの目に切り、熱いうちにビネガーと塩、オイルで和えれば肉料理の付け合せになる。または、ごく薄くスライスしたビーツに熱々に熱したピクルス液(酢、水、砂糖、オイル、塩、ハーブなどを混ぜあわせる)を注いだビーツのピクルスは日持ちもし、色鮮やか。漬けた液を少し拝借してすし酢に合わせて酢飯を作れば、ほんのりピンクの酢飯を作ることもできる。