今日、10月20日は秋の土用入りの日。肌寒さが増すこの時期にぜひとも食べたい食材がある。鼻や喉などの粘膜をいたわり、呼吸器である肺をきれいに磨き上げるといわれる、蓮根(れんこん)だ。蓮根は深い沼地で栽培され、1節、2節と数えるとおり、一本にいくつもの節が連なっている。その節によって、美味しい食べ方が異なることを覚えておきたい。

先端に芽が出ている1節目は、細身で最もみずみずしい部分。しゃきった食感を楽しみたい酢ばす(薄切り蓮根の甘酢漬け)や、さっとゆがいて使うサラダなどに向く。中心の丸々とした2〜3節部分はでんぷん質の粘りもありつつ、シャキシャキ感もほどよくある部分。天ぷらや炒めものなど、蓮根のおいしさを堪能したい料理に最適だ。一番下の節は寸胴で太く、でんぷん質が最も強く感じられる。すりおろしてスープにしたり、しっかり叩いたものをひき肉と合わせてれんこんハンバーグにしたり。粘りを生かす料理でいただきたい。

※「土用」とは:立春・立夏・立秋・立冬の前それぞれ約18日、計約72日間が土用にあたる。「それぞれの季節の終わりの時期」とされ、これが過ぎると次の季節が始まる。