春の訪れを告げる「たらの芽」は、ウコギ科タラノキ属の山菜。食用になる若芽はほろ苦いコクと豊かな香りが特徴だ。“山菜の王様”とも言われるほど、高い栄養価を誇る。タンパク質が豊富なだけでなく、ビタミンやナイアシン、葉酸、カリウムなどバランスよく含む。したがって皮膚や粘膜の機能維持や成長、脳神経の正常化、代謝の促進などを期待できる。また健胃や強壮、強精作用などの薬効も。

おひたしやごま和えなどにするのもいいが、独特のコクのある味わいを生かすなら、サクッと歯ざわりのいい衣をまとった天ぷらに。たらの芽は固い根元部分と、はかまを取り除いて下処理をしておく。小麦粉に水を加えてさっと混ぜた衣にたらの芽をくぐらせたら、葉先の衣を指で軽くしごいてから、170度程度の中温のオイルでフライ。山椒塩でさっぱりといただききたい。