ホクホクと味わい深いじゃがいもは、涼しくなり、秋の訪れを感じる今の時期に食べたくなる食材の一つだ。調理法によって味わいも変幻自在。南米アンデス高地を原産とするじゃがいもは、江戸時代初期にオランダ人によって長崎に伝えられたのが始まり。明治以降に北海道を中心に本格的な栽培が始まった。

購入時はでこぼこやシワが少なく、芽が出ていないものを選ぶこと。注意したいのは緑色をおびたもの。これは収穫前に日光があたることで緑化した状態で、ソラニンという有害物質が含まれている証なので、食べてはいけない。

仕込んでおくと便利なのがクリーミーマッシュポテト。じゃがいもをまるごと蒸したら、皮を剥いてマッシャーで丁寧に潰し、鍋に牛乳とバターを入れて水分が無くなるまで練れば完成。ハンバーグなどの付け合せに最適な一品だ。もしもたくさん作りすぎたら、マッシュポテトと味つけした牛挽き肉を重ね、パイとチーズをのせてオーブンで焼いたイギリスでおなじみのシェファーズパイにしよう。
ホームパーティーなどで出した生ハムやサラミが余っているときは、とっておきのおつまみを作るチャンス。乾燥した生ハムまたはサラミを刻み、適当な大きさに切ったポテトとともにオリーブオイルだけで炒めれば完成。調理中は塩などを加えず、お皿に盛ってから粗塩をパラリとちらしていただく。ベーコンとはひと味違うおいしさで、ビールも進むこと間違い無し。