春の訪れとともに芽を出し、5〜6月に花を開く「ドクダミ」。古来から十薬(じゅうやく)ともいい、万能薬として民間療法に用いられてきた和のハーブだ。

「ドクダミ」の花といえば、4枚の白色の花びらを思い浮かべる人は少なくないはず。ただし実はこの白い部分は“ガク”であり、その中心にあたる黄色いシベが花。よく見るとたくさんの小さく可憐な花が集まっている。

精油成分デカノイルアセトアルデヒドをはじめ、利尿作用によりデトックスを促すクエルシトリンや血液をサラサラにして肌を整えるイソクエシトリンが豊富。ほかにも効能はさまざまで、お通じを促したり冷え症の改善にも期待できる。

開花する頃に最も薬効が高まるため、今の時期なら「ドクダミ茶」がおすすめ。地上部分を長めに刈り取り4〜5本ずつ束ねたら、逆さにして風通しのよい軒先に10日ほど吊るす。水気が抜けて乾燥したドクダミを2㎝くらいの長さにハサミで切り、ごく弱火でから煎りしてしっかりと水分を飛ばせば茶葉が完成。いただくときにはドクダミ10〜15gと水500〜600mlとともに火にかけて、とろ火で煮詰めればできあがり。乾燥させた茶葉を保存するなら、入梅の時期を避けて仕込むのがベター。