春は「ニラ」の露地物が出回る季節。一年中食べられる野菜だが、そのやわらかさのために、生食は今のシーズンだけのお楽しみ。中国では古より薬膳として親しまれ、日本では『古事記』『万葉集』で薬草として記されている。今も昔も変わらないスタミナ野菜の代表格だ。選ぶときにはハリがある、肉厚で幅広い葉をもつものを。また茎元も太くしっかりしている方がベター。
香り成分のアリシンは、ビタミンB1の吸収を高めて糖分のエネルギー変換を促進するほか、血行改善にも。根元の白い部分に多く含まれるので余さず調理。またカロテンやビタミンEも豊富で、油で調理すると吸収率アップ。
生のニラをどっさり使った「ニラそば」は旨みたっぷり。ゆでたての中華麺に、細かく刻んだニラをのせて、その上から炒めた挽き肉と炒めたばかりの熱々のオイルを和える。また相性のいい豚の薄切り肉でニラをくるくる巻いてから、片栗粉をつけて焼いた「ニラロール」も栄養満点な一品。