黒米をはじめ、以前紹介した黒豆、小豆、黒ゴマなど「黒」に属する食べ物は「腎」(泌尿、生殖に関わる内臓)の働きを助け、冬の養生になるといわれていることから、今の時期積極的に取り入れたい食材である。

さて、そのなかでも古代米のひとつとして注目されている黒米は、眼精疲労に効果があるとされるアントシアニン色素を含むのが特徴。色が黒いだけでもものすごいパワーを秘めているように感じられるが、実際にビタミンやミネラルが白米よりも豊富に含まれている。

白米と一緒に炊き込む割合は、1合につき大さじ1などと表記されていることも多いが、より黒米の風味や食感、鮮やかな色合いを楽しみたいのであれば、黒米の割合を大さじ2~3に増やすとよい。紫色に炊きあがったごはんは華やかなので、イベントやピクニックなどでおむすびにして持ち寄っても楽しい。黒米を使ったノンアルコールの甘酒もぜひ試してもらいたい。市販のヨーグルトメーカーで気軽に作れるので、一度にたくさん作り、それを小分けして冷凍しておくと使い勝手がいい。熱々の豆乳で割っていただけば、優しい甘みが五臓六腑に染みわたり、寒い冬の朝に小さな幸せが訪れる。