“黄色いダイヤ”とも呼ばれ、卵がたくさんついている様子から子孫繁栄の縁起物として結納や正月のおせち料理には欠かせない、数の子。にしんの卵を塩蔵したものである。昔は塩蔵ものより天日干しした「干し数の子」が一般的だったが、現在では1キロ数万円する高級珍味として高値て取り引きされており、生産量も少ないため手に入れることが難しい。
一般的に流通しているものは、塩蔵の数の子。1~2日かけて薄い塩水に浸け、何度か水を替えながら塩抜きし、薄皮を丁寧に取り除いてから調味しただし汁に浸す。さらに上からガーゼに包んだかつおぶしをのせ、味をじっくりと含ませる。調理自体はシンプルではあるものの、ひとつひとつの工程に丁寧さが要求されるおせち料理の一品だ。
だしをよく含んだ数の子は、そのままいただいてもちろんおいしいが、多めに作った場合はほぐしてパスタと和えたり、ちらし寿司の具材にしたりと万能に使える。クリームチーズと混ぜてブラックペッパーを加え、クラッカーにのせて食感を楽しんでも楽しい。