福井県のスローフードである打ち豆。原料の大豆をつぶして乾燥させた加工食で、大豆の収穫期である10〜11月に食べてみたい味である。福井県では伝統的な大豆の保存食として、豆腐や油揚げとともに、普段の献立でも多用されてきた打ち豆。食卓に打ち豆がある光景は当たり前ではなくなった現代でも、県内のスーパーなどでは多く見られる。

また浄土真宗の本山が4つもある福井県では、秋の時期に年1回の仏事「報恩講」を開く。50名近くの門徒が集まる大所帯なので、その仏事でいただく料理の一品として、旬の大豆であり多人数分用意できる打ち豆が重宝。味噌汁や酢の物にして食べられることが多い。

大豆より味が染みやすく、栄養も豊富なので、インターネットで取り寄せてみてはいかがだろう。おすすめの食べ方は打ち豆ご飯。米とともに適量の打ち豆を入れて酒・塩・昆布だしで炊けば、ほくっとした秋らしい味わいに。またキーマカレーや洋風のスープに、レンズ豆のような感覚で使ってみるのもいい。