自然薯、大和芋、長芋。これらを総称して山芋(やまいも・やまのいも)と呼ぶ。肌の乾燥を防ぎ、粘膜をいたわる粘り成分ムチンを多く含むことから、秋の土用期間に食べておきたい食材のひとつである。今日はそのなかでも大和芋をピックアップ。
なめらかな粘りの強さが特徴の山芋で、おろし金でとろろにするのが定番。肌寒い季節に入ってきたら、まずはキノコととろろ煮込み蕎麦を食したい。蕎麦のだし汁を煮立たせて、ネギの薄切りときのこを入れ、とろろを加えてゆでた蕎麦を加えてさっと煮る。
大和芋は、田舎そばのつなぎやお好み焼きの生地に加えたりと、影で美味しさを下支えする役目が多い。が、すりおろしたとろろに少量の小麦粉と青のり、桜えびを加えて一口サイズにすくって揚げる、大和芋の磯辺揚げもまた美味。揚げたてに塩をぱらりとふれば、もっちりと風味豊かな一皿が完成する。