夏から初秋の頃に店頭に出回るいちじく。古代エジプトの壁画や旧約聖書にもモチーフとしてたびたび取り上げられ、アダムとイブが裸をいちじくの葉で隠した描写はあまりにも有名だ。
“不老不死のフルーツ”との愛称もあるように、果実には栄養がギュッと詰まっている。腸内環境を整えてくれる食物繊維のペクチンのほか、酵素フィシンには消化促進の働きも。また女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをする「植物性エストロゲン」を含む、希少なフルーツである。
店頭では均一な丸みがあり、皮にハリと弾力があって、甘い香りがするものを選ぼう。へたの切り口に白い液がにじんでいるものは新鮮さの証。一方お尻の部分が開いたものは完熟のサイン。
果実をそのまま楽しみたい人は、塩とすだちの果汁をかけてどうぞ。甘みがぐっと際立つ。またはイタリアでおなじみのブラータチーズと合わせて、オリーブオイル・塩・レモンで食べるとミルキーなデザートになる。
サワーコーディアルを仕込むのもいい。皮ごと4つ割りにして、酢といちじくと同じ量のグラニュー糖で一週間くらい冷蔵庫を漬けておく。香り高いロゼ色のいちじくシロップを炭酸水で割ったドリンクは、リフレッシュしたいときにぴったり。