北海道や東北では「アキアジ」とも呼ばれ、秋刀魚と並ぶ秋の代表的な味覚といえば、鮭(シロザケ)だ。一般的に日本で鮭と呼ばれているものは、このシロザケのこと。貴重なタンパク源でありながら、抗酸化作用のあるアスタキサンチンも多く含むことから、スポーツ愛好者には欠かせない食材である

さて、まずは生鮭をどう食べよう。醤油・酒・味醂に漬けて焼く幽庵焼きは定番だが、晩秋、ここに柚子のスライスを一緒に漬け込むと柚香(ゆこう)焼きとしてさらに風味豊かな一品が完成する。新米で鮭むすびを作るなら、甘塩鮭や塩鮭を。塩を介して旨味が引き出された鮭は、香ばしく焼くだけで目を見張るほどおいしく、白いご飯との相性もこの上なくいい。

一方北欧でも、サーモンを使った料理は毎日のように食されている。じゃがいもやたまねぎ、セロリと煮込んだサーモンスープはもはや国民食であり、臭みを消すハーブとしてディルが一緒に使われているのが特徴的。これにサワークリームや生クリームを加えていただく。どんな料理にも合う鮭は、毎日食べても飽き足りない。