アフリカで紀元前から食べられていたオクラは、野生種はインドにも見られるという歴史の長い野菜。日本で広まったのは昭和30年代で、アメリカ人が持ち込んだために“アメリカネリ”と呼ばれていたとか。

独特のぬめりは水溶性食物繊維のペクチンと糖タンパク質のムチンによるもの。お通じ改善や血糖値の急上昇対策のほか、脂肪分の吸収抑制やタンパク質の消化を促す働きも。またビタミンB・Cも含んでおり、実にヘルシーだ。
おいしいものを見分けるなら濃い緑色で産毛がびっしり生えたもの。また小ぶりな方が味わいやネバネバが強くて美味。ただし成長が早く、食べごろを逃せば筋っぽさを感じるようになるので、注意が必要だ。

インドのベジタリアンが多い地域でおなじみの「サブジ」は、野菜の蒸し煮または炒め煮のこと。オクラを2〜3等分に切り、多めの油にクミンシードを入れて香りだったら、オクラを入れて蓋でおさえつけて4〜5分で蒸し焼き。ターメリック・レッドペッパー・ガランマサラ・塩少々で味つけすれば、奥深い味わいに。または箸が止まらなくなる焼オクラもおすすめ。七輪で網焼きした跡、塩とすだちでシンプルにいただく。