家庭料理に登場することの多い「するめいか」。国内で漁獲する量の半分以上を占める、日本海の夏の味覚である。古くは、いかの干物のことを“するめ”と呼んだが、干物にもっとも適しているのが本種だったので、この名がついたとされている。甘みがありながらもさっぱりとした後味が特徴だ。
調理する際に悩むのが、下処理として皮をむくか、そのまま使うか。基本的には皮をむくことでやわらかくなり、皮を残すことで風味が増す。好みの問題でもあるが、どんな調理方法かに焦点をあてると判断しやすい。たとえば皮をむいた方が良いのは揚げ物。一方蒸したり煮たりするときは、皮を向かない方が味わい深くなる。
酒蒸しにすれば、お酒が進む一品になる。内蔵をのぞいたするめいかにゲソを詰めて、蓋の出来る鍋に入れ、酒を注ぎ入れて蒸すだけ。蓋をして蒸すことで、身が縮まることなく、ふっくらおいしく仕上がる。またシンプルな塩焼きそばもおすすめ。短冊切りにしたするめいかとネギを炒めてから、焼きそばを入れて、塩コショウだけで味をととのえる。休日のお昼ご飯にもぴったりだ。