粗ごしによるもろみがおいしい「にごり酒」は、今が旬。一年中楽しめる日本酒ではあるが、醸造は冬から春にかけて。つくりたてとそうでないものでは、お酒自体の熟成度に一番の違いが見られる。つまりつくりたてにあたる春の時期には、若々しいフレッシュな味を堪能できるということ。

にごり酒のにごり成分である“もろみ”とは、日本酒になる前段階にあたる発酵中の液体のこと。もろみを完全にこしてしまうと清酒だが、粗めの布や目の細かい布などでこすことで、もろみが多少残理、少し霞みがかったものがにごり酒だ。ちなみに、まったくもろみをこさないものが「どぶろく(もろみ酒)」である。

酵母によるトロリとした口当たりや芳醇な甘みが特徴で、その味わいに負けない、しっかりとした肉料理や中華料理、つまみならチーズなどの乳製品が合う。発泡性のものなら魚料理とも相性抜群。