鮮やかなホウボウが鮮魚売り場に並ぶのは、2〜4月にかけて。全長約40センチと比較的小さな魚なので、さばかれていない状態で売られていることが多い。変わった外見から扱いが難しいと思われがちだが、下処理といえば鱗をとり、内臓を抜くのみ。(ここまではスーパーの鮮魚売り場や魚屋でもやってもらえる)

身は白身で淡白。クセがなく上品な味わいは、刺身、塩焼き、蒸し物、揚げ物などどんな料理にも適している。この時季であれば、春らしい色合いを生かしたアクアパッツアがおすすめだ。一匹まるごと使えばおもてなしに相応しい華やかさがあり、旨いだしも出る。

下処理した魚の表面と内側に塩適量を強めにふって冷蔵庫で20分〜1時間以上置く。魚から出た水分はペーパータオルでしっかり拭き取っておくこと。フライパンにオリーブオイルとつぶしニンニクを入れて中火にかけ、ニンニクがしっかりと色づいたらホウボウを入れて強火で両面焼き色がつくまで焼く。あさりとドライトマト、ケイパーを加え、湯を加えて勢い良く煮立ってきたら蓋をし、魚に火が通るまで強火をキープしながら3〜4分蒸し焼き。煮汁を魚の表面にスプーンなどでかけながらさらに2分ほど加熱し、魚に火が通ったところであさりと一緒に取り出し、皿に盛り付けておく。鍋に残った煮汁をとろみが少しつくまで煮詰めたところでオリーブオイル大さじ3〜4を加えてなじませ、塩少々で味をととのえ、イタリアンパセリを加えたものを上にかけ、あつあつをいただこう。