スープがおいしい季節。魚介のスープに欠かせないハーブといえば、ディルである。秋蒔きのものが初冬まで収穫できるので冬の入口にぜひ使ってみたい。たとえば牡蠣やホタテ、クラム(二枚貝)のチャウダーや、北欧のサーモンスープ(クリアな香味野菜とサーモンスープにサワークリームを加えたもの)の上に、刻んだディルをたっぷりと散らしてみると、たちどころに輪郭のはっきりしたスープに仕上がる。

卵との相性も良いので、ボイルしたえびやスモークサーモンとゆで卵、マヨネーズを混ぜあわせたところに刻んだディルを加えたディップもおすすめ。冬の果実、温州みかんの皮をむき、乱切りにしたところに紫たまねぎの薄切り、刻んだディルを加え、レモン汁、オリーブオイル、塩、一味唐辛子でマリネしたサラダもディルの個性を活かすことができる。

そして一番のおすすめは、なんといってもディルじゃが! 蒸したてのじゃがいもをフォークでざくざくと割り、その上にたっぷりのバターと塩、刻んだディルをのせて芋を崩しながらシンプルにいただく。こちらは春蒔き、初夏収穫のディルと新じゃがいもでもぜひ味わっていただきたい。