肉厚な身をかみしめれば、じんわりと旨み広がる、しいたけ。秋が旬のイメージが強いが春にも旬をむかえる、日本と中国を原産とするキノコで、春と秋にシイやクリ、ナラなどの木に自生する。原木・菌床栽培で虫や農薬などの心配もないため、特別な下処理は必要なく、洗わずにペーパーか布巾でふくだけでよい。栄養面でも食物繊維やビタミンB群、免疫細胞を活性化させてくれるレンナチンなどを含み、言うことなしである。

旬の今いただくなら、風味を存分に味わえるてんぷらを。「エビのすり身入りのてんぷら」は、おかずやつまみにぴったり。海老を包丁などで粘りが出るまで叩き、片栗粉や卵白、塩などを混ぜ合わせる。そのタネを、軸を切り落としたしいたけの笠の部分にたっぷりと詰めたら、全体に薄く小麦粉をまぶし、天ぷら衣にくぐらせてフライ。山椒塩でさっぱりと。

または、しいたけをゴロゴロと加えて醤油で味をつけた「炊き込みご飯」もおすすめ。素材の旨みが詰まったシンプルな味わいを堪能できる。