シャキッと野蕗をかじれば、清涼感ある香りと奥行きある苦さが広がる。ほとんどが水分だが、カリウムやカルシウム、食物繊維なども多少含まれている。

みずみずしさと新鮮な風味を楽しむためにも、下処理はていねいに。一度あく抜きをする前に、まずはすじ取りから。適当な長さに切ってから、全体にいきわたるように塩を振り、両手でまな板にこすりつける。すじが少し取れたところで熱湯でゆで、3〜4分経ってから水にとって冷まし、すじを1本ずつ茎の端から引いていく。また店頭では、葉がきれいな緑色で、根本をもってもしならない、真っ直ぐで太い茎のものを選ぶのもポイント。

甘辛く煮詰めた「きゃらぶき」は、野蕗の風味を存分に堪能できる一品だ。野蕗を4センチ程度の食べやすい長さに切って、5〜10分ほどたっぷりの熱湯でゆでる。途中水を入れ替えながら、1〜2時間アク抜きするのもポイント。水気をしっかりと切ってから鍋に入れたら、酒と醤油、みりん、砂糖を加えて、汁気がなくなり伽羅色(黒茶色)になるまで煮る。