うどの大木(身体ばかり大きいだけで使いものにならない人のたとえ)という言葉があるように、うどは春に地表から芽を出し、成長すると夏までに大きな木になるが、その幹はスカスカで、冬にはすべて枯れて春まではすがたかたちを見失ってしまう。そのため、うどが出たところにはきちんとマーキングして見つけやすくしておく必要がある。山で本格的に収穫できるのは4月に入ってから。栽培ものの山うども、春が進むにつれて葉が色濃く茂り、表皮のグリーンやピンク色も濃厚になってくるので注意深くチェックしておきたい。こういったもののほうが香りが強く、山菜独特のえぐみもある。

うどは生でもよし、加熱してもよし、皮も葉もほとんどの部分を食すことのできる山菜だ。ほかの山菜同様アクがあるので、生で食す場合は切ったそばから酢水に10分ほどつける。薄切りにしたうどとグレープフルーツのほぐし身を和えた小鉢は前菜にぴったりだ。乱切りにしていちごと合わせ、酢味噌とオリーブオイルをかけた小鉢も、うどの食感と香気が小気味よい。皮は千切りにしてごま油で炒め、梅肉と酒、みりん、醤油などで味付けして梅きんぴらに。葉はソテーや天ぷらにするとよい。