若くて味がよい生わかめがスーパーに並びはじめるのは、3〜5月にかけて。癖がなく、のどごしが爽やかなわかめは和食との相性がよく、古くから日本人に親しみのある食材である。乾燥させたり塩漬けにすることで保存が効くため、味噌汁や酢の物など年間を通して楽しむことができる。

であいものの筍がおいしくなる今の時季は、若竹煮がおすすめ。鰹と昆布のだし汁に酒、醤油、塩などで味付けし、下茹でして食べやすく切ったたけのこを加えて煮含め、さっと湯通しした生わかめを食べやすく切ってさっと火を通す。木の芽をふわりとのせれば春香る一品に。

同じくであいものであるヤリイカとの煮物も、春に食べたいひと皿。水に醤油とみりんと酒を加えて濃いめの煮汁を作って煮立たせ、下処理して輪切りにしたやりいかを加えて1〜2分煮て取り出し、器に盛っておく。煮汁を再び煮立たせ、そこに湯通しして食べやすく切った生わかめをたっぷりと加えてさっと煮て、煮汁ごとヤリイカの入った器に盛り合わせる。乾燥わかめでは味わうことのできない磯の香りをご堪能あれ。