通年安定して手に入るキャベツは旬を意識しにくいが、本来は地中海沿岸の冬の産物。他品種である芽キャベツ、カーボロネロ、サボイキャベツも軒並み冬の食材である。最近では千葉、神奈川、茨城など冬でも比較的暖かい地域で収穫できる春キャベツ、群馬、長野などの高原地帯で穫れる夏キャベツなども増えておりそれぞれに味わいが異なるが、今日は寒さや霜で甘みを増す冬キャベツを紹介したい。

球内が真っ白で扁平な形をしている冬キャベツは甘みが強く、葉の繊維がしまっているのが特徴。水分が少なく歯ごたえがしっかりあることから、加熱料理に最適。特にお好み焼きは水分が少ないキャベツの方が美味しくできあがるため、春キャベツよりも冬キャベツの方が向いている。

硬い外葉はつい切り落としてしまいがちだが、ポルトガル風のスープにしていただきたい。鍋にオリーブオイルを敷き、ごく薄切りにしたニンニクと玉ねぎを入れて炒める。そこに一口大に切ったジャガイモ、ベーコン、水を入れて15分ほど煮、最後に千切りにしたキャベツを加えて具が柔らかくなるまで煮込む。塩こしょうで味を整えれば、滋味深い味わいのスープが完成する。