鮭が旬を迎える頃、お腹に詰まっている卵も同時に旬を迎える。ちなみに鮭の卵が卵巣に入ったままの状態のものを筋子(すじこ)、卵巣の膜を取り除き卵を一粒ずつ分けたものをいくらと呼ぶ。筋子から丁寧にばらしたいくらを醤油漬けにしたものは、きらきらと輝く魚卵の宝石。市販のものもいいけれど、心ゆくまで食べたければ、魚屋さんで仕入れた生筋子でいくら作りに挑戦してみるのもいいだろう。
炊きたての新米ごはんにたっぷりとのせていただくのが秋ならではの贅沢。口の中で薄皮がプチプチと弾けた瞬間、あぁ自然の恵みよ、出会いものよ、ありがとうと思わず目を閉じたくなる。焼き海苔との相性も抜群なので、いくらの軍艦もどきも楽しみたいところ。巻きすの上に焼き海苔と酢めしを広げて、何ものせずに一口サイズ巻き寿司を作る。2センチ程度の幅にカットして切り口を上に向け、わさびを少々。その上にいくらをのせればできあがり。