食欲の秋ということで、近所のロウワーイーストサイドの気軽に一人で入れる、使い勝手の良い(そして、ちょっと変わった)お店を紹介したい。

まずは、24時間、ベジタリアンなインドカレーを食べれる「Punjabi Grocery & Deli」だ(写真)。電子レンジがずらっと並んだ店内には、いつもターバンを巻いたインド人のタクシードライバーや夜遊びに繰り出す前の若者が、カレーをむしゃむしゃ食べている。ぼくは、仕事帰りやがっつり朝ごはんを食べたいときによく使っている。


ニョーヨークにはコンビニが少ない代わりに、Bodegaと呼ばれるデリ、雑貨屋(?)がそこら中にある。外見から判断は難しいが、美味しい食べ物を扱ってる店も多く、うちの近所の「Sunny and Annie’s Deli」は韓国系の一際変わったサンドイッチを売っている。手書きでかかれたカラフルなメニューから色々選ぶのも楽しい。中でも、ぼくは「PHO」というベトナムのフォーの具をパンで挟んだという豪快なものが好きだ。

最後に、ブランチの定番スポットにしている「GAIA Italian Cafe」というイタリアンを紹介したい。ここは薄くパリパリなパンに、ふわふわなパンやチーズがはさまったパニーニが最高だ。アルミのペラペラな器でててくる、インスタントラーメンのようなパスタも美味しい。そして、ここはアルコールは持ち込み自由なBYOB(Bring Your Own Bottle)というスタイルで、ぼくはいつもお気に入りのナチュラルワインを抱えて、週末のブランチにここを訪れる。

ロウワーイーストサイドは、これらの店に加えて、「Katz Delicatessen」や「Russ & Daughters」といった老舗もあるので、小腹(ときにポーションが多くて満腹にも)を満たすのに最適なスポットがたくさんあるので、散歩をしながら、日本にはあまりない形式のお店をいくつもまわってみるのいいだろう。

隈太一

隈太一

建築家。1985年東京都生まれ。2014年シュツットガルト大学マスターコースITECH修了した後に、2016​年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了​。2017年よりアメリカ、ニューヨークの設計事務所勤務。素材の可能性、組み合わせによる空間、場所のデザインを専門とする。代表作に、カーボンファイバーと伸縮性のある膜を用いた、新素材の組み合わせによるパビリオン「Weaving Carbon-fiber Pavilion」、自身が運営するレンタルキッチンスペース「TRAILER」のインテリアデザインなど。

instagram:@taikuma