個性溢れる植物を扱い、国内外問わず展示や店舗ディスプレイなど様々な場で活躍する植物屋〈叢 – Qusmaura〉。“いい顔してる植物”をコンセプトに、独自の美しさを提案してきた〈叢〉が今回打ち出すのは金属鉢とのコラボレーションだ。

〈叢〉店主・小田康平さんが以前から気になっていたという真鍮やステンレスを素材とした鉢は、植物をより凛とした格調高い雰囲気に仕立ててくれる。仏教美術に見られる経年変化した金箔をイメージしたという真鍮色は、日本的なインテリアとも相性が良いだろう。

サボテンや多肉植物と一口に言っても、多種多様だ。我々の想像を超えた色や形、表情の豊かさに驚かされる。個性的な植物を順に観ていると、土から生えているサボテンの途中から、別種のサボテンが伸びているものをみつけた。接木(つぎき)と呼ばれる、生長の促進などの為に人為的に別々の個体を接合しているものだ。自然には現れない姿だが、不思議なバランスで成立していて面白い。

道路に面したディスプレイに堂々と鎮座している巨大なサボテンは圧巻の存在感を放つ。



(左)突然変異により、帯状に生長する「弥勒柱綴化(みろくちゅうてっか)」。金色の棘は産毛のようにも見える。(右)綿花がくっついているような風貌。ふかふかした毛が生えていて珍しい。「翠冠玉(るいかんぎょく)」。

マトリョーシカ人形のようなポテっとしたフォルムの珍しいサボテン。「紫太陽」という名の通り、初夏には大輪の花を咲かせるという。

もともとの姿が珍しい個体もあるが、突然変異などを起こし、通常見られないような形へと生長した“偶然の産物”もあるという。また、とてもゆっくりと生長するものや、1年に1度大きく花を咲かせるものなど育てるプロセスにも違いがある。

「どの子にしようかな」とじっくり時間をかけて選ぶも良し。ひと目でなぜか気に入ってしまったら、自分の感性を信じてお持ち帰りするのもまた良しだ。骨董品やオブジェを選ぶような感覚で、植物との出会いを楽しみたい。

『-叢展 金属と植物-』
日時:11月1日(金)〜11月28日(木)
11月9日(土)のみ「叢 – Qusamura」店主小田康平氏在店
場所:g GIFT AND LIFESTYLE
東京都港区六本木6-10-2 六本木ヒルズヒルサイドB1F
03-6812-9163
g-roppongi.jp