1937年に創刊し、2016年に若い世代へ向けた季刊誌としてリニューアルした『花椿』。美しく丁寧に作り込まれた内容は、無料配布の冊子とは思えないほどクオリティが高く、刊行を楽しみにしているファンも多いだろう。

No.826となる今回の号のテーマは、「SAVE THE BEAUTY OF EARTH」。近年、世界で大きな課題となっている環境問題に着目し、さまざまな角度から環境の現状を知ることで、環境問題を自分ごととして捉えること。また、一人ひとりが自分らしい、サステナブルな社会に向けての意識や行動を起こすきっかけを見つける特集内容を目指している。


表紙・巻頭を担当したカバーフォトグラファーは、現代社会における動物と人間との関わりをテーマに作品を発表している、オランダの写真家シャルロット・デュマ。子どもたちと動物、そしてオランダの都市の自然を撮影し、人が自然の一部であり、心豊かに生きることの大切さを捉えている。

ファッション特集『TOKYO STORY』では 「シャツ」をテーマに、お気に入りの服を永く着るために必要なサステナブルな方法として、一枚のシャツからはじまるそれぞれの着こなしを提案。


またミュージシャン・Charaの連載『サロン・ド・バー 花椿』では、フードアーティストの諏訪綾子がゲストとして登場し「食」について対談している他、岩井良太(AURALEEデザイナー)のインタビューも掲載している。手のひらサイズの別冊付録「花椿文庫」は、第2回「今月の詩-心にのこった詩はどの詩ですか?」(ウェブ花椿2018年6月~2019年5月掲載)で、紹介した12篇の詩の中から、読者投票で選ばれた橘いずみの花椿オリジナル詩集。

ビューティーカンパニーならではのアプローチから環境問題を紐解き、サステナビリティに関する若い世代の社会活動や世界での取り組みを紹介した今号の『花椿』。SDGsへの意識が高く、取り組みも幅広い資生堂の今後の活動にも注目したい。

配布場所は、資生堂WEBサイトのHPから。