9月7日(土)、8日(日)、美術館で1泊2日のテント泊を体験。 第3回目となる今年は、参加者とアーティストが一体となり、一つの作品を創り上げるワークショップも行われる。
東京から車で約1時間半。神奈川県・箱根町にあるポーラ美術館では、この夏、宿泊キャンプが体験できるアウトドアイベント『FOREST MUSEUM 2019』が開催される。
モネやピカソといった西洋を代表する巨匠たちの作品を中心に、世界中の美術品が約1万点収蔵されているポーラ美術館。富士箱根伊豆国立公園内にあるため、その豊かな自然も魅力の一つだ。そんな、贅沢なロケーションで自然とアートをテーマにしたプログラムが予定されている。
参加すること自体がアートになる? アーティストと参加者のコラボレーション
今年は初の試みとして参加者とアーティストが一つの作品を創るワークショップが行われる。色とりどりのペンライトが生み出すイルミネーションのアニメーション作品を手がけるアーティスト・TOCHKA(トーチカ)によるこのワークショップでは、参加者が共同で映像を制作し、その制作過程も作品の一部になる希少な体験ができるという。さらに、ミュージシャン・タカハシペチカが映像に合わせたBGM音楽をその場で制作し、映像と音楽が一つとなった作品が夜の野外映画のスクリーンで上映されるという豪華なプログラムだ。
夜のお楽しみプログラムの一つ「森の美術館の上映会」。夜の森に1日限定で設えた特別な映画館がオープン。短編映画やワークショップで作られた作品が上映される。
その他、ハンモックスペースでの読書や、小鳥のさえずりを再現する「バードコール(写真)」作り体験、朝には焼きたてのパンを食べながらコーヒーワークショップなども行われる。
閉館後、夜の美術館を貸切。この日限りの特別なギャラリートーク
さらに、本イベント開催日には、ポーラ美術館では初の現代美術の企画展『シンコペーション:世界の巨匠たちと現代アート』が同時開催予定。企画展では、ポーラ美術館が所有する19~20世紀の巨匠たちの絵画、彫刻、工芸など多岐にわたる作品コレクションを、現代美術の第一線で活躍する作家たちの作品とともに広く紹介。巨匠たちの古典的な作品とともに、多様な方法で表現される現代の作家たちの作品が一堂に会することで、新たな視点でアートを楽しむことができそうだ。
セレスト・ブルシエ=ムジュノ《クリナメン v.1》2013年 Installation view: National Gallery of Victoria, Melbourne© Céleste Boursier-Mougenot, Photo:NGV Photographic Services Department
そんな企画展の魅力を、担当学芸員から直接聞くことができるのが「夜の貸切ギャラリートーク」。閉館後の美術館を貸切り、作品を目の前にして、何気なく見ているだけでは気づかないアート作品の魅力や楽しみ方を解説してもらう、という贅沢な時間を過ごすことができる。芸術よりもアウトドア派だという人にもおすすめのプログラムだ。
自然のなかでアートに参加する、という貴重な体験ができる本イベントの申し込み期限は明日まで。テントや寝袋などのキャンプ用品はレンタル可能なので、アウトドア初心者でも安心だ。この機会をお見逃しなく。