枝豆やなた豆、四角豆など夏になるさやものの中では、比較的早い6月から旬を迎える「インゲン」。中央アメリカ原産で、アメリカ大陸が発見された頃に広まったという。ちなみに“陰元”という漢字は、江戸時代に中国から日本にこの野菜を伝えたと語り継がれる陰元禅師の名に由来する。

緑黄色野菜とあって栄養価も高い。抗酸化力のあるカロテンをはじめ、疲労回復効果のあるアスパラギン酸やリジンなどが豊富だ。おいしいものの見分け方は、シミや黒ずみのない緑色があざやかなもの。生のまま保存するならラップに包んで野菜室へ。ゆでて水気をきってから保存容器で冷蔵すると、すぐに使えて便利。

インゲンの風味そのものを楽しむならフライドインゲンがおすすめ。両端を切り落としてから、長い状態のまま揚げて、シンプルに塩につけて召し上がれ。また中華風の炒め物にも合う。次にフライパンで豚ひき肉とネギをニンニクや生姜、豆板醤で炒めてから、素揚げしておいたインゲンを加えて、醤油などで味をととのえるだけ。ホクホクとした食感が斬新で、ご飯を食べる手も止まらなくなる一品だ。