すっかり日本でもおなじみの「メープルシロップ」。北極に近いカナダなどの極寒地に育つメープルの木は、冬の寒さを耐え忍ぶため、樹液の糖度をぐんと上げるという。そうして採取された蜜だから、甘みもふくよか。メープルシロップの収穫期は、温かな日が差し始め、ゆっくりと雪がとけ始める3〜4月のわずか6週間。原産地である北米大陸に暮らす人々にとって、春の訪れを告げる存在だ。

ことこと煮詰めることで、砂糖がカラメルになるように、無色透明な樹液はつややかな黄金色のメープルシロップに。長時間火にかけることで、甘味料などを加えずとも、メープルの本来の甘みと香りが深みを増す。

今の季節に作るなら、旬のいちごと煮詰めた「いちごメープルバター」がおすすめ。小鍋にメープルシロップとバターを入れて弱火にかけ、バターが溶けてきたら、7ミリほどの厚さに輪切りしたいちごを加えてひと煮立ち。焼きたてのフレンチトーストの上にかけて、メープルが香り立つ温かなうちにいただく。