普段水深200〜600mに生息している「ホタルイカ」は、春になり産卵期を迎えると富山湾に集まってくる。他のイカとは違って、網にかかると妖しく発光することから、明治期に“ホタルイカ”と名付けられた。仲間同士の信号や自分の姿を眩ますために光を放つ、とても神秘的な魚介の一種である。

ビタミンA・Eのほかミネラル、ビタミンB群も豊富と小粒な身に栄養が凝集。また上品にいただきたいときは、ピンセットで目を二つ除いて調理すると、口当たりがよくなる。

釜ゆでしたホタルイカを酢みそで和えたり、一夜干しをさっと炙り焼きにしたものは、シンプルながら箸が進む一品。産地では釜揚げや煮付けが基本だが、実はパスタに入れても美味。オイルベースの「ホタルイカとウドのショートパスタ」は、ホタルイカはまるごと、うどは皮付きのままスライスするのがポイント。ソースとパスタを和えた後、最後にレモンの皮をちらすと爽やかな酸味がアクセントに。