通年手に入るネーブルオレンジだが、とくに流通量が多いのは3月。国産モノが出回り始めるのも今の時期である。果実の果頂部にへそがあるのが特徴で、果肉は他汁で甘味が強い。じょうのう幕が薄くて柔らかく種もないので手軽に食べられる。国産ネーブルは皮まで安心して使えるものが多いので、皮をゼスターなどですりおろし、カルパッチョやサラダ、レアチーズケーキやカスタードクリームなどの上にふりかけて余すところなく使用したい。
料理に使うなら、みずみずしい旬のサラダを。ネーブルの天地をペティナイフで深めに切り落としてから側面を削ぎ落とし、一口大に切り、ごく薄切りにして水にさらした紫たまねぎやみじん切りのイタリアンパセリと一緒にボールに入れて、オリーブオイルと塩で和えるだけ。豊かな香りが口いっぱいに広がる、春らしい爽やかな一品だ。