ひな祭りのお祝い料理の一つに、ハマグリのお吸い物がある。ハマグリは貝殻のかみ合わせが対のもの以外ぴったりと合わないことから夫婦和合の象徴とされ、古くから縁起物として食されてきた。3月はハマグリの生殖腺が発達し、身が太って最もおいしいタイミング。鉄以外にビタミンB1やB2が豊富で鉄欠乏性貧血の予防にもなるため、祝いの席に限らず食べたい食材である。
昆布だしとハマグリで作る定番のお吸い物もよいが、今日はハマグリのバスク風ごはんを紹介したい。鍋にオリーブオイルとつぶしにんにくを熱し、香りが立ってきたら玉ねぎのみじん切りを炒め、砂抜きしたハマグリと白ワインを加えて蓋をする。強火で2〜3分蒸し煮にしたあとはハマグリをいったん取り出し、殻から身を外しておく。その中に水を米の1.5倍量ほど入れて煮立たせたら米を洗わずに加え、弱火で15分ほどアルデンテに煮、はまぐりを戻し入れてピーマンのみじん切りを加えてなじませ、塩少々で味をと整える。器に盛り、イタリアンパセリとオリーブオイルをトッピングすれば完成。大人のひな祭りごはんに、ぜひ。