no.05| レムノスのラインの時計

こちらはインテリアメーカー〈レムノス〉の『ラインの時計』です。デザインを担当したのはプロダクトデザイナーの角田陽太さん。角田さんの作品はいずれも優れた普遍性を有していますが、殊に今作は時代に左右されないタイムレスな仕上がりとなっています。様々な魅力を持つプロダクトですが、今回は主にデザイン面にスポットを当てて紹介していきます。



まず注目したいのは時計の顔とも言える文字盤の意匠です。針の大きさやフォルム、インデックスの配置など、すべての要素からさりげない、それでいて確固としたこだわりを感じることができます。これ以上なにも足すことも引くこともできない、極限まで研ぎ澄まされたデザインは、ラインの時計の大きなアイデンティティーとなっています。


シナ材を使用した美しいフレームも見どころのひとつです。フレームを製作しているのはドラムメーカーとして有名なパール楽器。打楽器の製造技術を応用し、一点ずつ丁寧にハンドメイドしています。また、組み立てや検品などはレムノスのベテランスタッフが担当。目に見えるところはもちろん、目に見えないところまで徹底的に配慮することで、今作の完成度を更に高めています。


洗練されたプロダクトはややもすれば隙の無い、どこか冷たい印象になりがちです。しかし、この作品からはどこか人間的な温もりを感じることができます。なぜでしょうか?月並な表現ですが、きっと製作に関わる人々の想いがそう感じさせてくれるのではないでしょうか。少なくとも僕はそう信じています。

ラインの時計がリリースされたのは2016年の春のこと。誕生したばかりの、非常に若い作品です。しかし、その美しい佇まいは、人々から長く愛される名作になることを予感させます。もし時計選びでお悩みの方がいたら、この未来の名作をぜひ手にとっていただきたいと思います。


ラインの時計 ¥8,640(Lサイズφ305xD48mm)¥7,560(Mサイズφ254xD48mm) /LEMNOS

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WEBO ONLINE STORE webo-kobe.com(写真協力)

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渡辺平日

渡辺平日

雑貨やインテリア、日用品や家具を売ったり買ったりする仕事をしています。健康的で美しく、清らかなプロダクトを愛しています。いつか、百年使っても壊れない丈夫な道具と、百年眺め続けても見飽きない調度品を取り扱うお店を開きたいと思っています。

Twitter:@w_heijitsu