真鱈が冬に水揚げされる魚であることから、必然的に鱈の精巣である白子も今の時期が旬となる。特に1〜2月はもっともおいしいタイミング。ミネラルやビタミンに富んだ新鮮な白子を食さずにはいられない。

下ごしらえは以外と簡単で、ハサミで食べやすい大きさに切るのみ。調理によってはさっと湯がくこともあるが、基本的には生で食せる食材。ただし鮮度が命なので、購入するときは身が崩れているものではなく、ひだがしっかり見えているものを選ぶこと。そして買ったその日に調理することがおいしくいただくコツである。ポン酢をかけてそのまま食すのが定番だが、塩を振ってオーブントースターで焼き目がつくまで焼き、塩やワサビで食べるのもまたひとしお。あるいは、ホワイトソースとともにグラタンに混ぜ込んでも美味。シーフードグラタンのように、ほのかな磯の香りが口いっぱいに広がる。

お酒のお供には白子の揚げ春巻きを。酢を少し加えた熱湯で軽く湯がき、白子の外側に膜をつくる。これを春巻きの皮にのせて巻き、揚げるだけ。仕上げに山椒塩をふって。カリッとした皮から溢れ出るクリーミーな白子。揚げたては箸が止まらなくなる。