数ある砂糖の種類の中で、昔ながらの製法にもっとも近いかたちで作られているのが黒砂糖。白砂糖と同じく原料はサトウキビだが、サトウキビの絞り汁を加熱後、水分を蒸発させて濃縮したものが黒砂糖になる。精製されていない分ミネラルがそのまま残っており、コクのある風味豊かな味と、体にゆっくりじんわりと伝わる甘みが特徴。料理に使う砂糖を黒砂糖に変えるだけで、たとえば角煮などの料理が劇的にコク深い味わいになる。

冬の養生は黒いものを食すのがよいと言われており、黒砂糖には体温を上げる働きもあるので冬の間積極的に取り入れたい。

黒砂糖の食感と風味を最大限に引き出すなら、素材を生かした蒸しパンを。小麦粉とベーキングパウダーと水だけで作った生地に、細かくチョコチップ状に砕いた黒糖を混ぜ込んで型に入れて蒸すのみ。シンプルながら、時折顔を出す黒糖の豊かな風味を楽しめる。原料が同じサトウキビであるラム酒もまた黒糖との相性がいい。水切りヨーグルトに粉末にした黒糖とラム酒に漬け込んだラムレーズンを混ぜ込めば、チーズケーキ風のデザートが楽しめる。